こんにちは蒼海 隼(あおみ じゅん)です!
この記事ではプロジェクトで実施する内容を司る知識エリア「プロジェクトスコープマネジメント」を紹介していきます。
プロジェクトマネジメントと聞くと仕事の話と思いがちですが、プロジェクトの定義に立ち戻ると日常生活でも十分に役に立つノウハウ集としての側面が浮かび上がります。
プロジェクトと日常生活の共通点についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事はこんな人にオススメ!
- 就職活動、転職、結婚、子育てなど人生の大きな岐路にこれから立ち向かう人。
- リーダーにならないといけないが何からやればいいのかわからない人
- 仕事でプロジェクトマネージャを目指す人。
引き続い各知識領域について紹介していきます。プロジェクトの成否に直結するプロジェクトスコープマネジメントについて紹介します。
スコープというのはあまり聞きなれない言葉ですネ
記事の中で解説します。では始めましょう!
プロジェクトスコープマネジメントとは?
プロジェクトスコープマネジメントとはPMBOKの10の知識領域の1つであり、プロジェクトの目的を達成するために、「何を作り、どこまでやるか、それは妥当なのか」を明確にするための知識領域です。
日常でも、「やらないといけないことが後から出てきて慌てた」とか「入念に準備したつもりだったのに参加者の反応が微妙だった」といったことがありますが、スコープマネジメントを意識して行うことで回避できる可能性が上がるでしょう。
確かによく遭遇しマス。。
この記事ではスコープマネジメントにおける重要なポイントを解説しますので是非役立ててくださいね
5つのプロセス群に沿って実施すべきことを整理すると以下のようになります。スコープマネジメントは5つのプロセス群のうち、計画プロセス群と監視・コントロールプロセス群を持ちます。
- 計画プロセス群
- スコープ・マネジメントの計画
- 要求事項の収集
- スコープの定義
- WBSの作成
- 監視・コントロールプロセス群
- スコープの妥当性確認
- スコープのコントロール
ではそれぞれについて見ていきましょう。
スコープ・マネジメントの計画
スコープとは元々視野を意味する言葉ですが転じてビジネスでは領域とか範囲を示します。スコープ・マネジメントの計画プロセスでは、プロジェクト全体のスコープを管理するための計画を立てます。
スコープ、すなわちプロジェクトの範囲を規定するための準備を行う重要なプロセスです。以下に示す各プロセスをどのように実行するかを規定します。プロジェクトの成功にとって羅針盤のような役割を果たします。
要求事項収集
スコープを定義するための基礎とするため、顧客やステークホルダーからプロジェクトに対する期待や要件を収集します。何が求められているのかを明確にするところからスコープの設定が始まります。
なお、ステークフォルダーとはプロジェクトの全ての関係者を指します。成果を手にする顧客だけでなく、資金を提供するスポンサー、組織の経営者、プロジェクトを実行するメンバーなどです。
ステークホルダーのすべての意向や要求を把握したうえでこのプロジェクトで何をすべきか(スコープ)を設定する必要があります。このプロセスの前段としてそもそもステークフォルダーは誰なのかをしっかり把握する必要があり、これを行う知識領域”ステークフォルダーマネジメント”については別の記事で紹介します。
スコープ定義
収集した要求事項に基づいて、プロジェクトの成果物や作業範囲を明確に定義します。これは、プロジェクトチームが何を作り、何をしないのかを明確にする重要なステップです。「何をしないか」は非常に重要で、これを明確にしないと際限なくやることが増えてプロジェクトの目的が不明確になり、またワークロードも増えて失敗する可能性をいたずらに増やしてしまうことになります。
WBS作成
WBS(Work Breakdown Structure)とは、作業分解構成図とも呼ばれ、プロジェクトの作業を分解し、構造化することで全体像を把握するための手法です。プロジェクトの作業を小さなタスクに分割し、階層構造で表現します。これは、具体的な作業(アクティビティ、タスク)を明確化し、タスクに対してリソースやスケジュールを割り当てることで、プロジェクトの進捗を見える化するために不可欠なツールです。
スコープを定義したのちに、そのスコープを実現するWBSを作成します。WBSは上位から下位へ分解していきますが、下位の項目が上位の項目を100%網羅するように分解する(100%ルール)や、ある段階で必要な粒度にとどめて、未来の話を不必要に詳細化しすぎない(段階的詳細化)といったことに注意します。
妥当性確認
プロジェクトの成果物が、当初定義されたスコープを満たしているかどうかを検証するプロセスです。言い換えれば、プロジェクトが「正しいものを作り上げているか」を確認するということです。WBSのアクティビティを行った結果作られたものが、明後日の方向になっていないことを確認しましょう。
スコープのコントロール
プロジェクトの進捗や外的要因に応じて、スコープのベースライン(基準)を変更して、スコープを適切に維持するプロセスです。スコープそのものを修正していきます。
プロジェクトの大敵 スコープクリープと金メッキ
スコープクリープ
重要な用語であるスコープクリープについて触れておきます。クリープとは忍び寄るとか、変形するといった意味です。スコープクリープとはプロジェクトが進行するにつれて、当初計画されていたスコープが、徐々に拡大していく現象のことです。
ユーザーから新しい機能や変更を要求されたり、要件定義が曖昧でチーム内で異なる解釈が生じてしまった場合などに発生します。
金メッキ
金以外の金属の表面だけ金でコーティングして豪華に見せる金メッキという言葉を転用したプロマネ用語です。顧客によく思われたいためになし崩し的にスコープを拡大させてしまう、という意味を持った言葉です。良かれと思って機能を盛り込んでしまった結果、過剰な品質になりコスト・スケジュールが計画から超過してしまいます。
スコープクリープと金メッキは避けるべき
ともに発生するとコスト・スケジュールとの整合が取れなくなることからプロジェクトそのものの失敗につながりかねない現象です。プロマネはスコープマネジメントのスコープのコントロールや、統合マネジメントの変更管理を適切に行うことによってスコープクリープや金メッキを避けなければなりません。皆さんも気をつけましょう。
逆に状況変化に応じて積極的にスコープを変更していくのがいわゆるアジャイルと呼ばれる管理手法になります。こちらについては別の機会にがっつり紹介します。
まとめ
PMBOKの10の知識領域のうち、プロジェクトの全体像を規定するスコープマネジメント(下記)について紹介しました。スコープクリープや金メッキはプロジェクトを破綻させかねない危険な現象です。日常プロマネの皆さんも「これは本当に今回必要なのか?」と自問を繰り返すことで発生を抑制していきましょう。
- 計画プロセス群
- スコープ・マネジメントの計画
- 要求事項の収集
- スコープの定義
- WBSの作成
- 監視・コントロールプロセス群
- スコープの妥当性確認
- スコープのコントロール
- 避けるべきスコープクリープと金メッキ
どうでしたか?
思い返すとスコープクリープや金メッキにはよく遭遇していた気がしマス。お客さんから言われると断れなかったり、やってるうちにもっとこれもやっておいたほうがいいかなと悩み始めたり、、、
スコープが必要十分となるよう、自分だけで抱え込まずに関係者に相談したりレビューしてもらったりというのをマメに行うとよいですね。
わかりまシタ。
プロジェクトマネジメントの考え方を活用して日常生活を豊かにしていきましょう!
このブログはアフィリエイトで運営されています。ご理解頂けると幸いです。