『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”』(クリストファー・マクドゥーガル)を紹介します。
『BORN TO RUN』の概要
- ランニングシューズの真実: 現代のランニングシューズは、足本来の機能を阻害している可能性があるという衝撃的な事実。ランニングとケガの関係とは?
- 南米の走る民族タラウマラ族の秘密: 素足で何百キロも走り続けるタラウマラ族の驚くべき身体能力と、その秘密。
- 人類の進化とランニング: 人類がなぜ走る能力を獲得したのか、その進化の過程を科学的な視点から解説。人類にとって走ることの意味とは?
こんな人におすすめ
- ランニングが好きだけど怪我に苦しんでいる人
- 健康、ランニングに興味がある人、始めても続かない人
- 人類の進化に興味がある人
『BORN TO RUN』との出会い
2012年の年の瀬、足を引きずりながら河川敷をとぼとぼと歩いて帰宅する蒼海。
会社が年末の休みに入ったのでここぞとばかりに早朝から威勢良く走り出したものの、途中で脛の内側が痛くて痛くて、もうムリ!となって、歩いての帰宅。
本格的にランニングを初めて7ヶ月目のことでした。脛以外にも、土踏まずやら足の甲やら痛いところを他にも抱えていた。
走るのは気持ちいいし健康にも良いはずなのになぜこんな思いをしなければならないのか、と。そんな中ネット検索で出会ったのが本書「BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”」。
全く同じ疑問を抱えた著者クリストファーマクドゥーガルが雑誌の記事で見た南米の走る民族タラウマラ族の秘密を探りながら、医者、人類学者の最新の研究成果を盛り込みつつ人類にとっての走るということの意味を解き明かしていく。人類は走るように進化し、裸足になることで足は本来の機能を取り戻す、と。
『BORN TO RUN』の真骨頂
これだけでも十分に知的興奮を得られるのだが、ただ、本書の魅力は別のところにもにある。
単なるランニング指南書ではなく、走ることに対する情熱と、冒険心を掻き立てる物語であること。
著者は自身のランニングの怪我に悩んでいたころ、南米に謎めいた走る民族がいることを知る。タラウマラ族とコンタクトを試みるうちに、彼らと交流を持つ、謎のアメリカ人カバーヨブランコ(白馬)に出会う。
世界有数の険しさを誇る”銅渓谷”での前代未聞のウルトラトレイルマラソンを実現させようとする彼の壮大な計画に、米国の破天荒で魅力的なウルトラマラソンランナーたちとともに著者自らが巻き込まれれていく。
個性的な登場人物たち、ウイットの利いた語り口で、まるでメンバーの一人になったかのような臨場感で物語に引き込まれるところが本書の最大の魅力である。
一緒にタラウマラ族とカバーヨ・ブランコの壮大なトレイルランレースを巡る冒険の旅にでましょう!
ちなみに本書を2,3日で一気に読了した蒼海は、出張先の岐阜県のスポーツ用品店でNew Balanceのminimusというベアフット(裸足感覚)シューズを買い込みました。それ以来12年間ランニングでの怪我はありません(2018年に出張中にビジネスシューズで歩いている際に足首をねん挫したのが唯一のケガ)。
※従来のランニングシューズに慣れている方がベアフットランを始める場合、決して無理はしないようにしてください。フォームを徐々に変えていく必要があります。ベアフットランニングだからケガをしない、わけではなく『裸足しでも走れるように足に負担のかからない正しいフォームで”走らざるを得ない”からケガをしにくくなる』、というのがベアフットランニングの神髄と蒼海は考えています。先に正しいフォームを身につけましょう。
関連書籍
本誌の中で出てくるスコットジュレクが走ることと食べることについて語った書籍です。