こんにちは蒼海 隼(あおみ じゅん)です!
この記事では、日常生活でも役に立つ知識エリア「プロジェクトリスクマネジメント」について解説します。
プロジェクトマネジメントと聞くと仕事の話と思いがちですが、プロジェクトの定義に立ち戻ると日常生活でも十分に役に立つノウハウ集としての側面が浮かび上がります。
プロジェクトと日常生活の共通点についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事はこんな人にオススメ!
- 就職活動、転職、結婚、子育てなど人生の大きな岐路にこれから立ち向かう人。
- リーダーにならないといけないが何からやればいいのかわからない人
- 仕事でプロジェクトマネージャを目指す人。

今回はリスクマネジメントです

リスクマネジメントという大規模なプロジェクトや経済政策なんかを思い浮かべてしまいマス。

そんなことはありません。リスクは不確実性の意味ですが、この世界の本質とも言えるものですので私たちの日常にも十分関係するものです。

わかりまシタ。

今回はリスクという言葉の定義も改めて確認したいと思います。

ぜひお願いしマス。

では見ていきましょう!
リスクマネジメントの重要性
リスクとは?
リスクと聞いて皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか??
「起きては困ること」とか「危険にさらされること」「嫌なことが起きる確率」あたりでしょうか。日常生活では「嫌なこと」というニュアンスが強いかもしれませんね。
実はプロジェクトマネジメント、あるいは株や債券などのファイナンスの世界だと意味合いが少し異なります。いいことも悪いことも含めて、プロジェクトに影響を与える不確実な事象や状態(程度)全般を指します。
「XXXのリスクが大きい」と言った場合は、XXXの発生の有無が不確実である、あるいはXXXが必ず発生するにしてもその程度が不確実性である、という意味になります。ここで大事なのはXXXには悪いこと(脅威)だけでなく良いこと(好機)も入り得るという点。
この定義に照らすと、嫌なことが起きる確率という日常感覚での意味も包含していますがもっと広い概念になっていることがわかります。
リスクの普遍性
プロジェクトマネジメントに限らず、世の中が不確実な事象であふれているのは皆さんも普段から切実に感じていることと思います。 物理や数学の世界を見ると、正しいデータを正確に知れば未来は確実に予想できそうな気がしてしまうのですが、非線形力学系(カオス理論)という分野において、この世界を構成する非線形システは本質的に予測不能(大局的なおおよその予想できるけど確実な予測はできない)ということが知られています。つまり世界は不確実を本質とする。でも過度に悲観する必要はありません。起きてほしくないことの影響を極力小さくするように行動することはできますし、予期しない良いこともあるかもしれません。それが人類の英知であり、人生の楽しさなのかもしれません。
さて、日常の本質を構成するリスク、PMBOKにおいても10の知識エリアのうちの一つとして大きく扱われています。プロジェクトの成否を握る重要な分野となります。

PMBOKのリスクマネジメントプロセス群
リスクの定義
再掲になりますが、PMBOKでは、リスクとは「プロジェクトの目標に影響を与える可能性のある不確実な事象または状態」と定義されています。ここで重要なのは、リスクがネガティブな影響(脅威)だけでなく、ポジティブな影響(好機)も含むという点です。
- 脅威
- プロジェクトの遅延、コスト超過、品質低下など、目標達成を阻害する可能性のあるリスク
- 好機
- プロジェクトのスケジュール短縮、コスト削減、品質向上など、目標達成を促進する可能性のあるリスク
リスク管理の必要性
プロジェクトは常に不確実性を伴います。リスク管理を適切に行うことで、以下のメリットが得られます。
- プロジェクトの成功確率を高める
- 予期せぬ事態による悪影響を最小限に抑える
- 好機を最大限に活用し、プロジェクトの成果を向上させる
- 関係者間の状況認識を一致させコミュニケーションを円滑にし、意思決定を支援する(蒼海の経験上、メンバー間でもめる大きな要因の一つとしてリスクのとらえ方の違いが挙げられます。慎重さや怯えといった性格に大きく根差した要素が大きいので人によってかなりばらつきが出ます。この認識の違いがメンバー間の軋轢を生む場面を何度も見てきました)
リスク管理のプロセス
PMBOKでは、リスク管理は以下の7つのプロセスで構成されています。
リスクマネジメントの計画
リスク管理の方針や進め方を決定し、リスクマネジメント計画書を作成します。
リスクの特定
プロジェクトに影響を与える可能性のあるリスク(脅威と好機)を洗い出し、リスク登録簿に記録します。メンバー全員で認識を一致させることが重要です。
リスクの定性的分析
特定されたリスクの発生確率と影響度を評価し、リスクの優先順位を決定します。定性的な分析も人によってとらえかたが分かれる部分です。こちらも膝詰めで議論してメンバー間で認識を合わせるようにしましょう。
リスクの定量的分析
必要に応じて、リスクの発生確率や影響度を定量的に分析し、プロジェクトへの影響を数値化します。
リスク対応の計画
優先度の高いリスクに対して、適切な対応策を計画します。
- 脅威に対しては、回避、軽減、転嫁、受容などの対応策
- 機会に対しては、活用、共有、強化、受容などの対応策
リスク対応策の実行
計画されたリスク対応策を実行し、リスクの影響を軽減または排除、あるいは機会を最大限に活用します。
リスクの監視
リスクの状況を継続的に監視し、必要に応じて対応策を見直します。
リスクマネジメントのポイント
リスクは「良いことも悪いことも起こりうる」と捉えることが肝心です。脅威は影響を減らし、好機は最大限活用する対策を考えましょう。とはいえ、大上段に構えると得てしてうまくいかないものです。まずはプロジェクトで起こりうる「困ったこと」と「嬉しいこと」を想像し、それに対して「どうすれば良いか」を考えることから始めましょう。
最初は完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めることが大切です。リスクマネジメントは、プロジェクトを成功に導くための強力なツールです。ぜひ、プロジェクト業務だけでなく日常生活でも積極的にリスクマネジメントに取り組み、成功を掴み取ってください。
まとめ
この記事では不確実性に対処するリスクマネジメントの概要と以下のプロセス群について紹介しました。
- リスク・マネジメント計画
- リスクの特定
- リスクの定性的分析
- リスクの定量的分析
- リスク対応の計画
- リスク対応策の実行
- リスクの監視

どうでしたか?

重要性がよくわかりまシタ。

不確実さは生きている限り避けて通れないと思って、積極的に対処し、また好機を活用していきましょう!

わかりまシタ!
プロジェクトマネジメントの考え方を活用して日常生活を豊かにしていきましょう!
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