こんにちは蒼海 隼(あおみ じゅん)です!
この記事ではプロジェクトマネジメントを語るうえで避けて通れないPMBOKを紹介していきます。
プロジェクトマネジメントと聞くと仕事の話と思いがちですが、プロジェクトの定義に立ち戻ると日常生活でも十分に役に立つノウハウ集としての側面が浮かび上がります。
プロジェクトと日常生活の共通点についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事はこんな人にオススメ!
- 仕事や日常生活にプロジェクトマネジメントの考え方を取り込みたいが何をすればいいかわからない人
- 就職活動、転職、結婚、子育てなど人生の大きな岐路で参考になるものを探している人
- プロジェクトマネジメントに興味のある人。
このブログでよく出てきますが、そもそもどう発音すればいいのかわかりまセン。
ピンボックと読みます。
PMでピンと読むのですね。ムズカシイ。
では始めましょう。
日常生活にも役立つ知識の集大成、PMBOKとは?
PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略。アメリカの非営利団体であるPMI(Project Management Institute)が発行しており、プロジェクトマネジメントに関する知識が体系的にまとめられています。
1987年にPMBOKの前身となるホワイトペーパー、1996年にPMBOK初版が発行されました。現在では2021年に発行された第7版が最新版です。
事実上の世界標準と言われるほど、世界的に普及しています。
数年ごとに改定されるのですネ。
PMBOKはプロジェクトマネジメントの地図みたいなもの、とらえるとわかりやすいかもしれません。
地図デスカ?
地図は新しい道ができたり、建物が建てられたりすると、すぐに新しい地図が必要になりますよね。PMBOKも、プロジェクトマネジメントの世界で新しいことが起こると、地図を書き換えてゴールに効率的にたどり着けるようにするのです。
PMBOKのイイトコロ
PMBOKの特徴は以下の3点に集約されます。
- 網羅性
- 最新の考え方がわかる
- 共通言語になる
ではそれぞれについて見ていきましょう。
網羅性
PMBOKはプロジェクトマネジメントのベストプラクティス(有用な慣例)の集大成です。人類の英知が詰まっているといっても過言ではありません。いろいろなケースに対応できるよう汎用性、網羅性に配慮して作られています。
一方で、幅広く網羅されているがゆえに、じゃあ実際にどうすればいいの?という疑問につながりやすい側面があります。個別具体的なケース、例えば今あなたが直面しているプロジェクトに当てはめるには、テーラリングと呼ばれる取捨選択/合わせこみの行為が重要となります。
テーラリングについては非常に重要な概念なので別の記事で取り上げます。
最新の考え方の導入
従来、プロジェクトマネジメントというと計画駆動型、つまり大規模なプロジェクトを、事前に立てた綿密な計画のものに実行していくのが主流で、PMBOKもその流れを踏襲していました。ある意味PMBOKが計画駆動型の最大のけん引役だったとも言えます。ひとつ前の版である第6版が計画駆動型の集大成となります。
という背景のなか、2021年に発行された最新の第7版では、従来の版から大きく内容が変わり、VUCAの時代(予測が困難な時代)にマッチするよう、不確実な状況に柔軟に対応するアジャイル手法を大胆に取り入れています。時代に合わせた内容の更新もPMBOKの特徴です。
共通言語となる
事実上の世界標準となっていることから、異なる文化の人々と意思疎通を図る際の共通言語になりえます。複雑な概念も、PMBOKが定義する用語一言で伝わるかもしれません。
蒼海のサラリーマン時代の経験ですが、協業することになったイギリスのエンジニアに日程管理の方法を提案したことがありました。
彼らは日程的なプレッシャーが我々よりも低く、またプロジェクトの立ち上げ期だったこともあり、詳細が決まっていないことを盾に日程をコミットすることに消極的でした。我々のスケジュールでは仮でもいいから日程を立ててすぐに作業に着手しないと明らかに間に合わあわないという状況。
困った蒼海は拙い英語で下記のように伝えました。
「PMBOKに書いてあるProgressive elaboration(段階的詳細化)でやっていくから、この日程にアグリーしてくれ(=それをもとに今すぐ作業を開始させてくれ!)」
先方がこれに応じてくれて日程が決まり作業が無事開始されてほっとしたことを覚えています。ちなみに段階的詳細化とは、その段階でわからないところは細部まで立ち入らず大まかに定義しておき、進捗に合わせて詳細化していく、という概念です。
(今思えばイギリスはPrince2というPMBOKとは別の英国発祥の流儀が主流なのではないかとも思うのですが、通じました。さすがPMBOK)
PMBOK第6版と第7版の違いについて
最新の考え方の導入についてもう少し詳しく教えてくだサイ。
顕著な例が2021年の第7版でしょう。第7版が出た際には、PM業界に激震が走ったと言われています。どのように変化したのか見ていきましょう。
主要な差異は以下の通りです。
知識エリアからパフォーマンス・ドメインへ
第6版では、10の知識エリア(スコープ管理、時間管理などの知識の領域)にプロジェクトマネジメントを分割していましたが、第7版では8つのパフォーマンス・ドメイン(=計画、実行、監視などの行動)に変更されました。知識から行動指針への変化と言えます。行動指針とすることで個別具体的なプロジェクトへより適用しやすくなりました。
プロセスから原則へ
第6版では、5つのプロセス(開始、計画、実行、監視・コントロール、終結といった流れ)で整理されていたものが、第7版では12の原則(ステークホルダーのエンゲージメント、リーダーシップなど心に留めておくべき内容)がプロジェクトマネジメントの指針として位置づけられました。こちらも、原則を述べることでプロジェクト個別の状況に適用しやすくなりました。
QCDから価値提供へ
第6版では、プロジェクトの成功をQCD(品質、コスト、納期)の達成と定義していましたが、第7版では、顧客やステークホルダーへの価値提供を重視するようになりました。プロジェクトの目的が、単なる成果物の納品から、顧客のニーズに応える価値創出へとシフトしたといえます。
アジャイルへの対応
最も大きな変化ですが、第7版では、アジャイル開発手法への対応が強化されました。従来の計画駆動型(ウォーターフォール型とも呼ばれます)開発だけでなく、アジャイル開発など、様々なプロジェクトマネジメント手法に対応できるようになりました。アジャイルは従来の計画駆動型が苦手としていた、時々刻々と変化する状況に柔軟に対応しながらプロジェクトを進めていく手法です。
使い分けが重要
第6版と第7版の特徴を簡潔にまとめると以下のようになります。
- 第6版:計画駆動型が主体(プロセスベース)
- 第7版:アジャイルが主体(原理原則ベース)
第7版で内容が大きく変化していますが、だから第6版が無価値ということにはなりません。逆に大きく変わったがゆえにそれぞれの特徴を把握して、目的に応じて使い分けることが肝要です。蒼海は以下のように使い分けています。
- 第6版:計画的に物事が進められる場合に、次に何をすればいいのか辞書的に参照する
⇒自分のコントロール下で比較的計画的にすすめられる受験勉強や結婚式の準備など - 第7版:先が読めない流動的な状況下でプロジェクトに臨むにあたっての心構え・指針を作る
⇒求人の状況が日々変わる転職活動、子供の成長に合わせて対応を変えていく育児など
皆さんもご自身の状況をよく観察して使い分けてみてくださいね。
まとめ
どうでしたか?
PMBOKがどのようなものかわかりまシタ。家事にも役立ちそうですネ。詳しく内容を知りたいデス。
このブログでは内容についても触れていきますので楽しみにしていてください
PMBOKを活用して日常生活を豊かにしていきましょう!
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